One for All, All for One―01 |
You need a HERO!となるとまるっきりスクール☆ウォーズ。 まぁそれはどうでもよくて、この前の備忘録の続き。
彼の作品をこんな風に取り上げるのは、実は初めて。 元々他の方の作品をこうやって紹介する機会もそれほどないブログだし、 これだけみんなが見てる作品を改めて紹介する理由もないし。 しかし、嵐のような4月1週のラッシュに登場とはね(笑)。
メイP
どうでもいいけどあっちの新作も作るんだよね?! (純粋無垢な少年の目で。何のことかわからない人、その方が幸せかも)
さてこの作品を、サムネを額面どおりに受け取って千早の話と解釈するか、 千早に笑顔をもたらす春香の話と解釈するか、そこは人それぞれで なおかつ正解はメイPの胸の中って事になるんだろうし、まぁ彼ならば 余程のモノでもない限り、それぞれの解釈を否定する事はないでしょう。
んでもって、これを見て改めて思い出したのは、 ここで何度も書いている"鏡"のお話、でした。 以下、この作品の中に限った私の勝手な想像と解釈なんで その点はご承知置き下さい。 他人とは自分を映し出す鏡のようなもの。 ただし、常に等身大の自分を映し出すとは限らない。
以前、そんな趣旨の文章を書きました。赤ペンPとしても 中の人としても、この考え方はひとつの主題にしたいなぁなんて 思ってたりするんですが。
だから今回は、その切り口で考えてみます。 この作品の中でコンビを組んでいる春香と千早は、当然ながら お互いの存在が、自分を映し出すもっとも身近な鏡になるのでしょう。
これは完全に勝手な解釈ですけど、このコンビって 春香はああいう性格だから誰と組もうと関係ないというか、 一緒にやるんだから仲良く楽しく、って考えてるんだろうし、 千早にとってはそもそもコンビなんていう形そのものが 本意ではないのかもしれなくて、その意味ではおそらく 誰と組もうと関係ない。
鏡の話を引き合いに出せば、きっと春香は他人という鏡に映る 自分の姿は意識できるけど、それを取り繕うような事は苦手なタイプ。 一方千早は、本質的にはそういうものをまるで意識していない、 必要としない、と考えてるタイプ。 鏡に映る姿を捉えてどうこうするだけの人生経験を持ち合わせていない、 "道の途中"な二人。こうやって考えると、似ているようでハッキリ違っていて なんとも不器用なコンビですね(笑)。
さて、その二人が向き合うと、どうなるのか。
千早という鏡の前に立つと、そこに自分の姿が映らない。 もうちょっと大人になって知恵がつけば、映ろうが映るまいが それはそれとして上手く立ち回れるようになるんでしょうが、 もちろんそんな事が出来るわけはなく、何をすればいいかなんて 見当もつかず、でも自分が出来る事をやらなきゃ!と考えて。
だから春香は元気一杯に振る舞って、盛大に空回る。
一方、千早はそもそも鏡を必要としていない。春香であれ誰であれ。 だから何が映ろうが関係ない。でもその気持ちの持ち様は、 さっきの表現を使えば「大人になってつけた知恵」ではなくて、 ただ「必要ではない」と思い込んでいるだけ。愚直に、頑なに。 今こうして、かくある自分が全て。
だからたまに目の端に入る鏡の中の光景を、 時に忌々しく思っているのかもしれない。
これがたまにすれ違う程度の間柄であるならば、他人事と割り切って 折り合いをつけられるのでしょうが、あいにく二人はコンビです。 すれ違いながらも一緒に進んでいかなきゃならない。 そしてさっきも書いたように、それを上手いことやり過ごす知恵なんて 持ち合わせているわけがない。
そんな関係がどんなキッカケで変わっていき、そこにどんなドラマが あったのか、この作品の中には明確な答えが描かれていないわけです。 実のところその辺については確信めいた私見があるんだけど、 全部ここで書くのも能がないので、最後に取っておく(笑)。
とりあえず、千早を動かしたのが春香なのは間違いないけど、 春香にしてみればいつも通りで特別な事はしてなくて、 普段スルーされていた事が、何かのキッカケで千早の心に引っかかって。
だから春香からすれば、「ようやく自分の姿が映った」とホッとする一方、 別にこれからも何かが変わるわけじゃないんでしょう。 逆に千早は、どこかで気付くんでしょう。 そこに映っているのは他人じゃないのだと。自分なのだと。 何かをしたから空回るのか、何もしないから空回るのか、 その違いでしかないのだと。それは些細な違いであり、だからその事に 気付いたとしても、何かがすぐに、劇的に変わるわけでもなくて。
その、決して劇的じゃない、些細な変化が、最後の笑顔。 それはきっと誰にでも、どこにでもある、日常のひとコマ。
だからね、この後すぐにこのコンビがオーディションで 連戦連勝するとか、そういう光景があまり浮かばない(笑)。 相変わらず春香は全力で振る舞って全力で空回ると思うし、 千早はそれを見てやっぱりイラッと来ちゃうんだろうし。 ただ、今までは立ち止まってしまっていた場所で、 立ち止まらなくなったってだけで。
私はそんな風に感じたので、この作品は春香だけの物語でも、 千早だけの物語でもないんだろうと思ってます。
自分と違う誰かがそこにいれば、どこにでもある物語。 いや、物語という言葉すら大げさなんだと思う。 人に見られる作品だから物語としての体裁をなしているけれど、 ニコマスのPだからアイマスのアイドルを使っているけれど、 そして、それが一番伝わると思ったに違いない、この二人が中心だけれど。
この作品は、アイドル名を冠に持たない「ある日の風景」。 どこまで行っても"道の途中"のひとコマ。つまり、道の途中であれば、 どこにでも転がってるはずのもの。
春香と千早だけで成立するであろうこのお話の中に、他のアイドルたちが 出てきているのは、っつーか最初っからアイドル全員の存在を意識させて いたのは、そういう意図の表れでしょう。 今回はたまたまこの二人だったけど、誰と誰が組んでも、 二人でも三人でも、そういう風景はきっとあるんだと。
さて、これだけ色々書いてきて、果たしてそれが作者の意図したところと 一致しているのかどうか、んなこたぁどーだっていいというか、 俺がそう思ったんだからそうなんだよ!と言い切る自信がある(笑)。
千早が笑顔を見せる事になったそのキッカケ、二人の間に流れた物語。 それは見ているあなたの中にあるんじゃないんですか? というか、あって欲しいって願ってるんだよね、彼は。 だから作ったお前の中のドラマになんざ興味はない!そういうこった(笑)。
そいつは自分で探すことにします。この作品がどれだけ素晴らしかろうが、 自分で作るものがこれにどれだけ至らなかろうが、そこだけは譲っちゃいけない。 譲った瞬間、俺はメイPではない何かに負けて、動画作るの止めちゃうと思うから。
・・・と、そんなまとめでエントリをひとつ書こうと思ってたんですが、 そこで終わらない状況になっちゃったので「困った」わけで。 もちろんエントリをもうひとつ書かなきゃならいから困ったとか、 そういう単純な事ではなくて。だからちょっと時間を空けて、 のんびりと文章をまとめてました。
という事で、その辺の事は留保しつつ、シラカワPの作品の話に続く。
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