赤ペンPの添削日記
由無し事を徒然に書き連ねる日記。
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File 005-1: 「恋愛症候群」<前編>
さぁ、こっちが本番の解説でございます。

週マスにもランクイン(文字のとこだけどね)したという事は、現時点でこの作品は
赤ペンPの代表作という位置づけになるのでしょう。デキの面でも、数字の面でも。
もしかしたら今後もずっとそうなのかもしれない。

そんな作品が、今までの私のどの作品よりも、「他所の人的思考」から生み出されている
と書いたら、皆さんはどう思われるでしょうか。
・・・だから解説が1回で終わるわけはない(笑)。という事で、前編。




前作を作り始めるあたりから、スケジュールが全く未定だった次の作品について考え始めました。
短期間で同じキャラを何度も使いたくなかったので、美希とか千早とか雪歩のソロかなー、って感じで。
ところが「Rydeen」の解説に書いたとおり、5作目は春香メイン!と多少イレギュラー気味
決めたところから、試行錯誤が始まります。私の作品では2度目の登場となる春香で、普通に
ガチPVを作っても、2作目よりちょっとデキのいい作品ができるだけでしょうし、それじゃ面白くない。

その時漠然と「コミュを前面に押し出した作品」ってのを考えていたことがキッカケになりました。
コミュ動画で掴んだイメージを膨らませて再構築。私は絵が描けませんが、イメージは
「描いてみた」シリーズや紙芝居みたいな感じで、コミュを繋いで歌のイメージに乗せ、ストーリーを紡ぐ。

このキーワードに行き着いた瞬間からしばらく、私の頭の中からは春香どころかアイマスの事さえ
消えました。
代わりに頭をよぎったのは、そういうことをさせたら恐らく日本でも屈指の存在。
子供の頃から曲もラジオも聞いてた、大好きな存在。

さだまさしは、ある一瞬から曲の色をガラリと変えてしまう魔術師です。
「フレディもしくは三教街」という曲があります。曲の舞台は中国は湖北省にある漢口。今の武漢ですね。
異国情緒漂う街並み、タイトルにもあるフレディとの想い出、それらを静かに歌い上げた後、
こんなフレーズが出てきます。

 けれどもそんな夢のすべても あなたさえも奪ったのは
 燃えあがる紅い炎の中を飛び交う戦闘機


この瞬間、聴き手は逃げ場を失い、否応なく物語の中に引き擦り込まれます。
この曲がどんな時代の、何を歌った歌なのか、このフレーズ以上の説明は一切必要ない。
そして元の色が鮮やかであればあるほど、この後どれだけ同じメロディやフレーズを重ねても、
その色は決して戻らない。

フィクションであれノンフィクションであれ、人を捕らえて離さない何かがある物語ってのは、
内容そのものもさることながら、強弱やタイミングといった「見せ方・伝え方」などの、
物語の外にある要素がとっても大事なわけです。さすがは落研出身のさだまさし、
その間合いが凄く上手い。

もっともこの曲、タイトルを「フレディ」にするか「三教街」にするか悩み、取り敢えずメモに
「"フレディ"もしくは"三教街"」と走り書きしておいたらそのまんまタイトルに使われた
という、いかにもさだまさしらしいオチがつくわけですが・・・。

さて、このキーワードでアイマスMAD的な思考が止まった理由。それは、このキーワードが
「私が赤ペンPとしてアイマスMADの中でやりたい事」ではなく、
「私がやりたい事」だったからです。
赤ペンPの外側にある「私個人の思考」として。自分の中の話なんでわかりづらくて恐縮なんですが。

何をするにしても、毎回それが実現できるわけじゃなくても、そーゆー事ができたらいいなぁと
思う個人的な願望。だから手段や場所は何だっていいんです。
アイマスMADに限った話じゃない。文章でも、発言でも、行動でも、仕事でもプライベートでも。
そういう意味では、アイマス側から入っても、プロデューサーとして曲から入っても、
ここにはきっとたどり着かなかったでしょう。
だから、この作品は「他所の人的思考」がいちばん強い作品なんです。

ちょっとだけ、迷いました。自分のやりたい事を、アイマスMADという手段で表現できるのか?
でも、まぁやっちまえと(笑)。ある種の「自分への挑戦」というヤツです。
ではまっさんでやるとして、春香を使うならどの曲を使うのか。これは全く悩みませんでしたし、
だからやっちまおうと決心できたんですけどね。
それが「恋愛症候群」。思い入れの深い曲です。
だから中途半端はしたくないし、逃げ道は作りたくない。

曲の長さや古さは完全無視。
いわゆる「アイマスMADの勝利の方程式」からは完全に外れますが、それは仕方ない。
だってやりたいことをやるんだもん。そっちのほうが重要なんだもん。
「アイマスでさだまさしかよ!」というインパクトは得られるだろうから、それでOKとしよう、と。

ただ、男性ボーカル曲です。歌自身には6分38秒の時間を繋ぐだけの十分な世界観があるし、
コミュ中心の動画にすれば違和感は減るだろうけど、でもそのまま映像を乗っけるだけでは捻りが足りない。
初見で反応してくれる人は多くなくても、見た人が満足して、何かコメントを残したくなるなるような
気分にさせる
ためには、もうちょっと何かハッキリとした方針が欲しいかな。

ヒントその1。
この音源は、さだまさしのライブ1000回記念コンサートで、初めて披露された時のものです。
観客が知っている曲を演奏したわけでも、事前に音源として録音される事が説明されていたわけでもない。
つまり曲中の観客の反応は初見の純粋な反応であり、恐らくそのままこの動画を見る人の反応と重なるだろう。
(実際、曲の後のMCで初めて録音の説明があり、まっさんが「いい反応をありがとう」とお礼を言ってます)

ヒントその2。
2作目の時にも似たような考え方をしてたんですが、とにかく自分で作るのならば、
普通に「白」とか「黒」で決め打ちした作品は作りたくなかった。
(見るのはどっちもOK。むしろ闇最高
じゃあどんな春香をやりたいの?ともし聞かれたら、私はこう答えます。
「天海春香をやりたいんだ」と。
等身大の、素の表情。作るんならその方が絶対に面白い。その思いは今回も同じです。

ヒントその3。
曲の内容。歌詞、構成、メロディ、声。よく知ってるよ。この曲と出逢って何年経ってると思ってるんだ。

ヒントその4。
曲の方針が固まる前に、同時進行でもう一度見返していた、春香のコミュの内容、エンディングのエピソード。

見えてきたのは、等身大の女の子の姿と、それを見つめる素の視線。
少なくともこの曲で、春香に変に背伸びして何かを演じてもらう必要は、きっとないんだろう。
では、それを見つめる視線にこそ、焦点を当てるべきではないだろうか。

春香のあのエンディングは、ひとつのお話としては全然アリなんでしょうが、
恐らくはプレイしている多くの人にとって、決して本意ではないだろうと思うわけです。

その状況に対して「救い」を求めるのか、求めないのか。求めるとしたらどんな救いなのか。
春香を使って作品を作る大きなポイントだと思いますし、またそういう選択肢を内包している
キャラだからこそ、春香のソロ作品は多いんだろうと考えてます。

救いを一切求めず、逆に悲しい物語を補完していく手法。
悲しいことはあったけど、それでも明るく前向きに進んでいく、っていう姿に救いを求める手法。
逆方向に突き抜けてしまうことで救いが生まれる黒に、そのカウンターとしての存在である白。
黒を物語から分離して昇華させ、救いとは無縁の世界に持っていく闇。


で、私は「こういう春香を見ているあなたの本当の気持ちは、きっとこの辺にあるんだよね」と、
改めて見ている人に問いかけることで救いを求めようと思ったわけです。
これなら春香はあくまでも「天海春香」でいられるし、男性ボーカルである事に違和感はない。
そもそもそういう曲なんだしね。

これで決まりです。
モチーフはこの曲の内容そのものであり、既に曲の構造が物語的な演出を内包しているから、
それを最大限に生かす方向で行くべき。
そしてもう一つ。

この作品は「春香を歌った歌」ではあるんだけれども、それ以上に、
「春香を見ている"あなた"を歌った歌」として作る事。


ここまでイメージが固まったところで、ようやく素材集めと動画作成に入りました。


個別のシーンに関しては後編の解説に譲る事にして、先に一つお詫びが。

以上のような観点に立った上で、この作品のサムネとオープニングを見ると、
「病名:恋わずらい」
春香の病名っぽく書いてるのは、明らかに嘘だよね。すみません、ちょっと引っ掛けました。
恋わずらいなのは、これを見ているあなた自身。

お詫びはするけど、間違ってはいないでしょ?
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都内某所に潜伏し、ひっそりアイマスMADを製作中。表向きはうだつの上がらないサラリーマン。人生のモットーは、なだらかに昇りなだらかに落ちる放物線。

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