赤ペンPの添削日記
由無し事を徒然に書き連ねる日記。
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サンデーサイレンスの話をしよう。(その2)
今日の話はあからさまに中級編です。
なるべくわかりやすく説明するけど、わかんなかったら
サクッと忘れてもらって構わないです。
競馬と付き合い続けていたら、いずれ出てくる話だけどね。

サンデーサイレンスが日本競馬を塗り替える、という言葉の意味。
自身がこの世を去り、産駒がレースからいなくなった今も
それは続いています。

サンデー産駒の牡馬(オス)が大活躍しました。
当然引退後は種牡馬として期待されるわけです。
サンデー産駒の牝馬(メス)が大活躍しました。
当然引退後は繁殖牝馬として期待されるわけです。

あれだけ活躍してれば、どっちもたくさんいるわけだ。
それこそ先日話題になったディープインパクトみたいにね。

さて、ここで問題です。
サンデー産駒の種牡馬や繁殖牝馬の配合相手として、
どんな馬を連れてきたらいいと思いますか?



ここで悪魔の囁き!サンデー牡馬とサンデー牝馬の配合、
同じ父親を持つ男女の禁断の恋物語が今ここで…!
…とか思った人、悪いことは言わないから薄い本を読む頻度を
もっと減らした方がいい
です(笑)。

まぁ薄い本だの権利者が云々だのは冗談として、単純に近親配合だと
受胎しないとか、生まれても体質が弱くて競走馬は無理とか、
そういう理由が何より大きい。生き物だからね。

もうちょっと世代が進んで、ひいおじいさんのところに
同じ馬がいるね、くらいになってくると大丈夫になります。
人間でも三親等、いとこ同士の結婚はあったりするし。

この「同じ馬の血を持った牡馬と牝馬を配合する」事を
インブリードとかクロスと言って、優秀な能力を持った血を
重ね掛けする事でより強い効果を狙う方法になります。
その分体質が弱くなったりするから、必ず上手くいくという
話ではありませんけど。
あなたもこの先「サンデーサイレンスの4×3、奇跡の血量!」
とかいう表現をどこかで目にすることがあるかも知れません。

ともあれサンデーに限らず、同じ血統の馬がたくさん活躍すると
こうした問題が必ず発生します。この状況を
「血の飽和」なんて言ったりする人もいますね。

飽和については見てもらう方がわかりやすい。
これは、昨年末に発売された「ダービースタリオン」の
種牡馬一覧の一部です。「大系統」という項目が
ピンク色になっている馬が、随分たくさんいますね。

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dabisuta03dabisuta04

Roは「ロイヤルチャージャー系」、サンデーにとっては
ひいおじいちゃんよりも遠い祖先の馬からの流れを汲む
種牡馬である事を示しています。この○○系って呼び方は
いろんなパターンがあるので、初心者~中級者の間は
あまり深く考えないでおきましょう。

種付け料が高い順に並んでいるこのリストの上位に
これだけ同じ系統に属する馬がいる…いや、ここにいる
Ro系の種牡馬27頭のうち、スクリーンヒーロー、エピファネイア、
シンボリクリスエス、フリオーソ、ストロングリターンの5頭以外は
全てサンデーの子供か孫。
さらにスクリーンヒーローとエピファネイアは
母方にサンデーの血が入っているので、サンデーと無縁の血統は3頭。
もちろん他にも種牡馬はたくさんいて、ロイヤルチャージャー系も
同様にたくさんいます。

いや、その、うちの大事なサンデー産駒牝馬のお相手、
誰にしたらいいのよ???
ってなりますよね、これ。
選択肢がどんだけ減るんだって話です。
そう、サンデー産駒の種牡馬や繁殖牝馬のお相手として、
「サンデーの血を持たない馬」を探してこなければならない。
でもこれまで書いているように、サンデー産駒はみんな活躍するから、
その陰で、つまりサンデー産駒に「邪魔」される形で、
種牡馬や繁殖牝馬になれるような活躍ができなかった馬がたくさんいる。

これを見越して、GⅠをガンガン勝ったような馬じゃなくても
種牡馬や繁殖牝馬にするケースというのはよくあります。
そしてもっと手っ取り早いのは、海外から新しい馬を
輸入すればいいんじゃね?
という話になる。
そう、まさにサンデーサイレンスがそうであったように。

実はサンデーが日本にやってきた時期は、
新しく輸入してきた種牡馬が毎年のように大活躍をしていました。

サンデーの2年前に産駒がデビューしたトニービン
ダービー馬ウイニングチケット、さらに数年後には
オークス馬エアグルーヴを送り出しました。
サンデーの前の年に産駒がデビューしたブライアンズタイムから
ご存じ三冠馬ナリタブライアンが生まれ、さらにタニノギムレット
ダービー制覇のみならず、牝馬ながらダービーを勝ったウオッカを送り出した。
ほーら、だんだんお馴染みのウマ娘の名前が出てきた!

詳細は難しい話になるのでだいぶ省略して書いていますが、
サンデーサイレンスもそういう流れの中で日本にやってきた
種牡馬だという事です。そしてこの「血のサイクル」
何年かの周期を経て、必ずまたやってくる。

いつだったか、ウマ娘一覧の中で
「現実のメジロドーベルは他のウマ娘とやたら"関係"を持ってる」
という、これだけ見たらなかなかアレな発言を目にしたんですが、
今までのクソ長い説明を飽きずに読んでくれた方なら
なんでそんな事が起きるのかが何となくわかってもらえるかもしれない。

メジロドーベルの配合のお相手一覧です。

ドーベル産駒

確かに多い。サンデーサイレンスもいますね。
このお相手の中でサンデーの血を引いていないのは
エルコンドルパサー、キングカメハメハ、ルーラーシップの3頭。
実はこの3頭はいずれもキングマンボという種牡馬の子や孫で、
今回は触れないけれど今の日本でサンデー系同様に
一大勢力となっているミスタープロスペクター系の種牡馬。
通称ミスプロ系と呼ばれてたりします。

…メジロドーベル、今イケてる系の男子
いい感じに引っ掛けてたんだな…(さらなる誤解を生む発言)。
サンデーなんて息子もまとめてだしね…(もう引き返せない)。

そんなドーベル自身の血統を見てみるとだな。

ドーベル血統

父のメジロライアンは、サンデーが来る前に
日本を席巻していたノーザンダンサー系の種牡馬。
そして母方まで含めて、サンデーもミスプロもどこにも入っていない血統。
というかお母さんの血統はメジロの名前がたくさんある通り、
日本で昔から育まれ続けてきた血統、言わば良家の箱入り娘です。

つまり、サンデーやミスプロの血を持っている種牡馬のお相手として
たいへんに都合がいい女だったという、もう誤解を生む書き方を
避けるのをあきらめた表現でまとめてみた(苦笑)。
まぁそういう、ちゃんと理にかなった事情があるんですね。
これはほんの一例で、他にも探せば同様の例はたくさんあります。

余談ですが、ドーベルの子供たちは大きな活躍は出来なかったんだけど
スペシャルウィークとの間に生まれたメジロオードリーが繁殖牝馬として
ルーラーシップを配合されて生まれたホウオウイクセル
重賞のフラワーCを勝ち、今週末の桜花賞に駒を進めてきます。
ウマ娘の名前だらけの血統なので、興味があれば是非調べてみてください。

「たった1頭の種牡馬が、日本の競馬を塗り替えていく」

残り半分の意味が、これでわかってもらえたでしょうか。
サンデーの血が活躍することによって、そのお相手として
どんな馬を連れてきたらいいのか、という事も決まってくる。
サンデー以外の血統もサンデーの血を中心に回っているのが
今の日本の競馬、というわけです。

例えば今、アメリカあたりで、すっげー強いヘイロー系の馬が
現れたとしても、絶対に日本に輸入しようって事にはならない。
もう日本はサンデーの血で溢れかえっちゃってるからね。

それを踏まえて、今回のエントリの中では一番難しい応用編の話を。

ここまで書いてきた「血の飽和」に直面しそうなのが、
産駒が大活躍しているご存じディープインパクト
そう、同じ父親だから、グランアレグリアのお相手に
コントレイルを連れてくるわけにはいかんのですよ。

さて、ディープの牝馬にどんな種牡馬をつけようか?
どうせならやっぱすっげー活躍する子供にしたいじゃん?

実は今年、こんな種牡馬の産駒がデビューをします。

ドレフォン

アメリカでダートの短距離の大レースを勝っている馬です。
うん、確かにいい馬ではある。あるけれど、なんでこの馬が選ばれて
日本に輸入されることになったのか。

ディープインパクト産駒で強い馬と言えば、
先ほど挙げた三冠馬コントレイル
短距離戦線を席巻しているグランアレグリア
他にはダービーを勝ったキズナあたり。

実はこの3頭にはある共通点がありまして。
簡略版の血統表で恐縮ですが、まずはコントレイル。
コント

これがグランアレグリアで、
グラン

キズナはこんな感じ。
キズナ

母の父はそれぞれアンブライドルズソング、タピット、
ストームキャットという馬なんですが、この3頭は
いずれもアメリカのダート競馬で産駒が活躍している種牡馬。

いろんな配合のディープ産駒を見てきた結果として、
どうもディープのお相手にそういう血統の牝馬を選べば
成功しそうだな?となって、定番化したわけです。
これを俗に「ニックス配合」なんて呼ぶんだけど。

先ほどのドレフォンも、まさにアメリカのダート競馬の活躍馬。
これをディープ牝馬につけたら…あら不思議、「父」と「母父」が
入れ替わっただけで、その「定番」っぽい組み合わせ
になるじゃん!

恐らくはそれを狙ってドレフォンを日本に輸入したんだと思います。
実際、今年デビューを控えているドレフォン産駒の母父を見ると
ディープインパクトの名前がたくさん並んでいますから。
ミスプロの血も入ってないから、そちらの牝馬のお相手にもなれるし。

もちろん、これは「現状から導き出された仮説」です。
机上の理論通りこの配合が成功するかどうかはわからない。
まるっきり違う配合の馬が頑張っちゃうかもしれないし、
そもそも母の血統に関係なく走っちゃうかもしれない。
サンデーサイレンスもそんなとこがあったしさ。

…クッソ長くなりましたが、これが競馬における「血統」の、
ほんの一例のご紹介
となります。☆3因子のウマ娘をいかにして
育成するか、みたいな話の何倍もややこしい試行錯誤が、
現実の競走馬の生産の世界では繰り広げられています。
もちろん、数億単位のリアルマネーを動かしながら。


ああ、ようやくまとめに入れるよ(笑)。
ウマ娘を通じて競馬の世界に触れた方が、もしこの先も
ある程度の間競馬とお付き合いされるというのであれば、
気になった強い馬の名前を一頭、覚えておきましょう。
ディープインパクトでもいいんだけど、この先産駒は
どんどん減っていくから、例えばコントレイルとか。

コントレイルは今年で引退する予定なので、来年の3月には
種牡馬として、恐らくはたくさんの牝馬と配合され、
2023年には最初の産駒が生まれてきます。

その子たちが、2年後の2025年の夏から、競走馬として
デビューをするはずです。その時にまだ競馬に多少なりとも
興味があったなら、何となくレースに出てくる馬の名前を
眺めると、父の欄にコントレイルの名前があるかも知れない。

お!あの時見ていた馬がいよいよお父さんになったんだ!
なんてあなたが思い出してくれたなら、その時になってようやく、
このセリフが用意されるわけです。

「ようこそ、競馬の"沼"へ」

ゲームに触発されて馬券を勝った程度じゃ
沼どころか水たまりで遊んでるようなもんなんだよ!
…と、1回くらい老害風に生意気な事を書いて
ちゃんとマウント取りをしておこう(笑)。

ちなみに牝馬のグランアレグリアでもいいんだけど、
牝馬は毎年1頭しか子供を産まないのに対して、
種牡馬は100頭以上が生まれてくることもあるから、
子供に巡り合う確率が高いんですよね。

サラブレッドは生き物であり、どんなに優れた馬にも寿命があり、
やがて次の世代に確実に代替わりしていく。
その連続性こそが、競馬の持っている本質であり、魅力。
人の歴史がそうであるように、馬もまたその連続性の中に
様々なドラマを抱えている…とまぁ、カッコつけて書いたらそんな感じ。

ご存じの方も多いでしょうが、ウマ娘のモデルになった馬の多くは
既にこの世を去っています。そして種牡馬や繁殖牝馬として成功した馬もいれば
その血が現代まで繋がらなった馬もいる。でも、どの馬にも
そこに至るまでの大きな流れがあり、ちょっとしたイベントのシナリオになりそうな
エピソードが、そこら中に転がってたりする。これはウマ娘になっていない
競走馬だって同様です。

この先、ウマ娘から競馬を知った人がどんな風に
いつまで競馬と付き合っていくのかはわかりませんが、
少なくとも、競馬を本格的に見始めてから四半世紀の私にとって、
今この瞬間は体験したことのない「楽しい」時間である事は
間違いありません。ウマ娘とみなさんに感謝しています。

その勢いだけでこんな長文書いちゃったよ。

他にもいろいろ書きたい話はあるんだけどね。
あのマルゼンスキーお姉ちゃんには年の離れた母違いの
弟がいて、信じられないくらいの活躍をしたんだよ!とか、
テイオーとマックのライバルストーリーは実は世界的に見て
非常に珍しい対決だったんだよとか、ホントにキリがないんだけど
まぁ調子に乗ってやり過ぎるのもアレなんで、この辺にしておきましょう。

あなたにとって競馬が、たとえ一時であったとしても
あなたの日々の生活の隙間を埋める楽しい存在に
なってくれることを願って止みません。

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赤ペンP

Author:赤ペンP
都内某所に潜伏し、ひっそりアイマスMADを製作中。表向きはうだつの上がらないサラリーマン。人生のモットーは、なだらかに昇りなだらかに落ちる放物線。

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