赤ペンPの添削日記
由無し事を徒然に書き連ねる日記。
11 | 2023/12 | 01
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アイマスキャラのグループ語り ―Cool Blue編―
赤組が主人公枠なのに対して青組がライバル枠になるのは
ヒーロー戦隊ものにも見られるように古来からのお約束であります。
そして春香が松田聖子、千早が中森明菜に例えられたように、
明と暗、光と影的なコントラストで描かれる事が多くなるわけで。

・・・この切り口だとミリオン組の静香は納得できるんだけど、
シンデレラ組の凜がいろいろ例外になっちゃうわけです。
そのあたりを赤ペンがどういう屁理屈でまとめるのかが
最大の焦点・・・ってこれ全然趣旨が違うじゃねぇか!(笑)


千早といえば歌。歌のためならどんな努力も惜しまず、
自分をストイックに追い詰めていくことができる。
その一方で、歌のためにならないと思う事には目もくれない。
その根源にはプライベートな家族の問題が顔を覗かせる。

ミリオン組の静香も、千早ほどの重さはないけれども
スタンスや状況は良く似ているように見えます。
まぁこの辺の話はまた後でするとして。

明確な目標を決めて、それに向かって突き進む。迷う事を許さない。
言ってみれば、アイドルという「モラトリアムの時期」をとっとと抜けて、
自分が何者であるかを証明したくて仕方がない子たちであり、
文字通り、前回の赤組の話の正反対を行くのが青組。
そりゃあ赤組のライバル的なポジションと認識されるわけですわ。

・・・千早と静香だけならこれで終われるんだけどねぇ・・・(笑)。
うん、この視点で見てしまうと、どうやっても凜があぶれちゃう。
だから必要なのは違う切り口なんです!と、もっともらしい理屈をこねて
赤ペンが選んだキーワードは、「拠り所」

特に家庭に問題があるわけじゃない。アイドルになろうという明確な意思が
あったわけじゃない。そもそも「こうなりたい」という明確なビジョンがない。
真面目そうだし度胸もありそうだけど、ストイックって感じではない。
デレアニ1話の凜を見ると、見た目の雰囲気はともかく、
先ほど挙げた要素は微塵もありません。

アイドルになった後でも、凜は自分のやっていることに対して懐疑的だった。
だからこそ大事な局面では「拠り所」を重要視してたように思えます。

6話のライブ後、未央に続いて事務所へ来なくなる凜。
しかしその理由は、未央に対して積極的な働きかけをしない
武内Pに業を煮やした面が大きい。それは凜が武内Pの
勧誘というか説得というか、その言葉に思う部分があって
アイドルを始めた、つまりこの時点での彼女にとっての拠り所が
武内Pだったからという事情があるのでしょう。

実際、7話の最後で
「迷った時に誰を信じたらいいかわからないのはイヤなんだよ」
と、自分の心情を吐露してますし。

そして23話、卯月とのやりとり。凜があれだけ怒りを露わにしたのは、
トライアドプリムスとしての活動を決断する時、最後に背中を押したのが
卯月の言葉だったから。今の自分の拠り所が、卯月にあったから。
だから卯月を「アンタ」呼ばわりするほどに激高しちゃう。

人は他人事に対して本気で怒る事はできません。
我が事だからこそ、感情的になってまで怒る事ができる。
他人事を我が事であるかのように偽って怒ったところで
それが人の心に届き、動かす事はない。

で、卯月は24話でこんな言い回しをするわけです。
「凜ちゃんは怒ってくれるんです」
この時点で、凜にとっての卯月も、卯月にとっての凜も、
もう他人ではなくなっている。

さて、そうやって怒った後に卯月の告白を受けた凜はどうなったか。
この表現は適切じゃないけど、敢えててわかりやすい言葉を使うと
「キャラ崩壊」しちゃうんだよね(笑)。自分の拠り所が
そんな風に揺らいでいる事を知ってしまって、自分自身も揺らぐ。
24話の事務所で「(クリスマスライブに)3人で出たい」と
駄々をこねちゃったりする。それは自分でも十分自覚していて
「カッコ悪い」と言いつつも、そういう感情を自分で持て余してしまう。

そんな凜の前にですよ。ステージに上がる決心をした卯月が現れて
子供のように泣きながら「凜ちゃん凜ちゃん」と言われたらどうなりますか。
答え。もうどうにもならない(笑)。1話ラストの卯月の笑顔で
「凜が落ちた」と称されるならば、あのシーンは墜落とか垂直落下のレベル(笑)。

自分の拠り所。それは自分ではない他の誰か。
凜にとってのそれが、前半の武内Pから後半の卯月に変わった事が、
「こちらに任せてください、って言わないんだ」
「あの時とは違います」
23話の凜と武内Pの短いやり取りに現れています。

さて、このキーワードを引っ張り出すことで、
ようやく千早と静香の話が書けます(笑)。

千早と凜と静香に共通するのは、決して人付き合いが
得意そうには見えないという点。まぁ千早はちょっと別格くさいけど。
そして自分が変化していくキッカケが、自分以外の「誰か」との出会いに
あったという描かれ方も、たぶん共通している。

無印以来延々と続いていた千早の孤高は、アニマスでようやく
一応の区切りを迎えることになり、それを受けての劇場版。
もう千早に「孤高」の影はありません。とは言えまだまだ
まだ他のメンバーやミリオン組を率先して引っ張るとこまでは
行かない(というか、元来そういうタイプでもない)から、
リーダーを務める春香を影から支える役回りを務めています。

歌に拠り所を求めているように見えて、実は歌が逃避先になっていた。
過去の苦い思い出から逃げているように見えて、実はそれこそが
自分の拠り所になってしまっていた。そうやって続いていた
孤高の連鎖に割って入ってきた春香が、きっと千早にとって
初めて出会う「誰か」だったんでしょうね。そういう存在は
千早の場合は身内にすらいなかったわけですし。



そういえば無印時代の千早コミュは、リアルタイムでその辺の話が
進行してたんですよね。そこまでしなくても「この子はそういう設定です」
という段階で止めちゃって差し支えはないだろうし、実際アイマス2以降は
完全に「過去の出来事」になっている。

劇場版は千早が完全にインプリンティングされて
春香が母鳥であるかのようにピタッとついて行っているように
見えたりもするんですが(笑)、ここではまだ
「自分が背負っていた荷物を降ろした」段階であり、
OFAでようやく「自分が背負っていた荷物と向き合う」事になります。

諸々の出来事を経て、心の拠り所の整理がつくことで、
千早はようやくスタートラインに立った、って感じてます。
普通じゃない環境にいたからこそ、普通の事を捨て去る事で
何者かになろうとしてた子
が、いろいろあってようやく
他の子達とそれほど変わらないところまでやって来た。

たぶんそれは千早の新たな魅力となり得るのだと思うし、
逆に言えば今までの魅力は削がれた、という見方もできる。
千早と千早Pの関係性を「共依存」なんて言葉で例えてみた事が
あるんですが、それはもう昔の話ってところなんでしょうかね。

余談ですが、千早のコミュ動画には結構な量の
「大量殺戮兵器」タグがついてます。これも実のところ、
「普通じゃない」と「普通」のギャップが生み出した
シロモノなんだとは思います。この前後の落差、ギャップってのも
青組特有の特徴立ったりすると思うんですけどね。

さて、静香の話の続き。
自らの意にそぐわない「タイムリミット」を示されて、
限られた時間で最短距離を突っ走るために自らを
ストイックに追い込む日々を過ごしている。最初に書いたように
パッと見た限りでは千早に似てなくもないですし、
たぶん人としての個性や本質は似ているのでしょう。

ただ、それはあくまで「字面の上では似ている」というだけで、
根本的な重さが桁違いであり、しかも先ほど書いた通り、
それを(無印時代の話とは言え)物語のシーンとして
受け手に提示しているという点で、二重に重さが違う。

千早や静香と凜はちょっと違うよね、という話を最初に書きましたが、
実はなまじシチュエーションが似てしまっている分、千早と静香の間には
下手をすれば凜以上に深い「違い」が横たわってたりする。
似てるのはホントに表層部分だけなんですよね。

随分メタな話になっちゃいましたが、そういった諸々を、
今の静香は知る由もない。そりゃ仕方ないよ。このくらいの年齢で
いろんな事を達観されてたまるかっての(笑)。
そう言えば昔、千早について
「自分と同じ境遇の他者を目の前にしてどんな言葉をかけられるのか」
が勝負どころだ、なんて軽口を叩いてたんですが、もしかしたらその役割、
静香がこれから担っていくのかもしれませんなぁ。

そんな静香の前に現れた、自分とは違う「誰か」が未来。
自分を基準に考えた時、たぶん未来の在り様は何から何まで
「理解できない」類のものだったはずです。そしてこのタイプは、
そういう異物とは関わらずに自分の道を行きたがる
はず。

でも、いろんな偶然やら必然やらが重なって、静香は未来と
関わっていく事になる。まだこの段階では「拠り所」には
程遠いでしょうが、なんとなくそういう予感や自覚はあるみたい。
その辺も、千早とは随分境遇が違ったりするわけで。
そんな二人のデュエットがLive The@ter Dreamersで実現して、
曲名が「アライブファクター」、alive factor とはふるってるね。

そう言えば静香が千早と顔を合わせた時、
「堂々とステージに立つために必要な事」
を静香に問われた千早の返答が「繋がること」でした。
かつて前だけを見て独りで歩を進めていた過去の自分を受け止めた上での
重い一言の意味を静香が知るのは、さていつの日になるのやら。
人はそういう姿を、往々にして「背伸び」という言葉で表現します。

それを知ってか知らずか、デレアニ1期最終話のライブ後に、
夜空を見上げて背伸びをする凜。背伸びという行為は、凜のみならず
デレアニ全体の根底に流れるテーマのひとつだと思うんですが、
シーンとしてはここがすごく印象深く描かれています。
確かな足場、拠り所を得なければ背伸びもできない、という事なんでしょう。

青組はライバル枠だという表現を冒頭にしましたが、
実際はそんな単純な一言で言い表せない関係性が、
赤組と青組の間にはあるのだと思います。
ライバルであり友人であり恩人であり目標であり理想であり以下略。

まぁ要するに、主人公の対極にいる存在として、
世界の広がりの一端を担う役割って事でいいんじゃないでしょうか。
でもって、この2組がいればとりあえず世界は広がり安定します。
しますけど・・・って事で、次回は最後の組のお話。

ああ、最後にオマケをひとつ。
赤ペンも最近まで知らなかったんですが。



ゲームのディスク内にはデータだけ存在して使われていない素材が
色々あるという話は昔から聞いていましたが、こういうのもあるんだね。
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Author:赤ペンP
都内某所に潜伏し、ひっそりアイマスMADを製作中。表向きはうだつの上がらないサラリーマン。人生のモットーは、なだらかに昇りなだらかに落ちる放物線。

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