赤ペンPの添削日記
由無し事を徒然に書き連ねる日記。
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File:「Best of you」-02


さて、作ると決めたはいいけれど、アニメMADなんて
見ているばかりで作った事もないわけです。
素材を集めて切り貼りして、みたいな基本の部分は
そりゃそれなりに場数を踏んではいますけれど。

影響を受けた「元ネタ」の動画はあるけれど、
前回も書いたように内容的には再現や踏襲ではないものに
したいわけで、そのまま拝借する事も出来ない。

なので、まずはアニマスの映像をひっくり返して
千早の出ているシーン(及び目についた風景シーン)を
地道に準備しながら、元ネタを基準にする形で
いろんな事を考えました。再現するためではなく、
違うものにするために、元ネタを出発点にしたわけです。


一番考えたのは、元ネタが大量の作品群から素材を
持ってきているのに対し、こちらはアニマスのみである、
という相違点。そこにはいくつかの意味があります。

まず、ゲーム映像に比べればバリエーションは多いけれども、
それでも絵の、というか「動き」の種類は元ネタよりは少ない。
元ネタは動きのあるシーンがたくさん使われています。
それを短いカットでパンパンと入れる事でリズムが生まれる。
同じ事をアニマスだけでやるのは難しいでしょう。
そこに「千早の動画」という、キャラクターを限定する
縛りを設けている事で、さらに使える素材の種類は厳しくなる。

また、「素材の均一性」という問題もあります。
普段使っているゲーム映像なら全く気にしなくていい部分であり、
大量の作品群から絵を使っている元ネタでも考えなくていい部分。
テレビ放映されるシリーズ物のアニメーションは、
どんなに優れた作品であっても、ある程度は「作画のバラツキ」が
発生せざるを得ません。アニメを見る分には気にならなくても、
こうやって切り出して編集すると、なまじ同じ作品の
同じ人物なだけに、気になる部分も出てきます。

そして一番重要なのは、視聴者の側が動画を構成している
個々の素材をどう捉えてるか
、という部分です。
元ネタの動画はとにかく使っているアニメに統一感がなく、
全体でも具体的なストーリーを志向しているわけではありません。
でも、アニマスの素材だけでMADを作り、ニコマスの動画として
提示したらどうなるか。それぞれのシーンに対して、
見ている人がいろんな感慨を持っているのは間違いありません。
その分、フラットな視点は期待しにくいだろう。

まして今回の題材は、当然アニマス第20話「約束」という
アニマス全体を見渡しても重要かつ重いエピソードが
中心になるわけです。普段ならそういう「共通認識」を
逆手に取るのが私のやり方ですが、今回は狙いすぎると
わかりづらくなる
のは目に見えています。

…とまぁ、こんな具合で考えていった結果、
作る上での方針、指針が固まっていきます。
そのメモ書きを整理していくつか抜粋すると、

・具体的でわかりやすい流れを作る事。
 基本は20話までの「総集編」であり、捻るポイントは
 それほど多くは設けない。

・動きの種類の少なさは、カット割りやカメラワーク、
 エフェクトなどである程度カバーする。
 逆再生や反転など「アニメと違う絵」も意識したい。

・「いい顔」の千早の絵は大きく長く使い、
 それよりは落ちる作画のシーンは短いカットイン用に。


で、それに沿って方法論や順番も決まっていく。
全体の構成は普段の動画製作でもやっている事だから
ある程度応用は効くだろう。だから最初の段階は
まずここを最優先して組み立てていく。
アニメMAD的な見せ方というか、普段の動画とは少々勝手が
違いそうな部分は、流れが出来上がってから考えよう。
作業の流れを大雑把に書くと、こんな感じですね。

これは結果論だけど、こうやって段取りを組んで
作っていた事で、FRFで未完成ながらも公開が出来たわけです。
あの時点では「全体の流れを組み立て終わった状態」だったので、
とりあえず頭から終わりまでは映像が存在していたから
ああいう事が出来たと。幸運でした。

話を戻して、次にあらかじめ素材を使いやすいように分類する。
今回は「1話~13話」「14話~19話前半」
「19話後半~21話(メイン素材)」「22話~」
「その他(風景など)」
の5つに分け、それぞれ
別のフォルダに入れて管理しました。

肝となる流れを作るのはメイン素材。
そこに至るまでのシーンやカットインとして使うのは
それ以前の話数の素材。特に理由がない場合は、
なるべく曲の進行に合わせて使う素材の話数も進める。
22話以降はこの動画の内容以降の話になるので、
これもピンポイントで使う素材とする。

もちろん、多少原則から外れる事も想定していますが、
こうやって作る上での指針をわかりやすくします。
なにしろ初めての手法ですから、いきなり作り始めて
途中で破綻しないよう、事前の仕込をしっかりやろう
と。

そして「捻るポイント」については、最初からひとつ、
これは絶対譲れないという決め事がありました。

「約束」のラスト、千早の泣き笑いの顔。
できる事ならあれは使いたくない。
少なくとも、動画の締めには絶対使わない。

そう思った根拠はひとえに私が天邪鬼だからです(笑)。
今さらアニマスMADで、今更この内容で作るんなら、
あのシーンで終わる作品にするのは赤ペンPの仕事では
ないと思うんですよね。


だから「メイン素材」の括りの中に21話が入っています。
ライブ映像はあれが一番いいと個人的に思っているのと、
要するに千早のエピソードは「乗り越えた事」で
The Endになるわけじゃないよね、という私の考え方が
そこに出ているという次第です。

他の捻りとしては、左右反転や逆再生、早回し。
要するに「見た事のある映像とは違うもの」を
なるべく用意したいと思って。個人的な感覚ですが、
ダンスPVのノリでカメラを動かすと、どうにも
不自然な感じがしたので、そこは控えめです。

こんな感じで土台となる部分を作成。まぁ結果的に
作りながら考えて変えていった部分も多いんですけどね。
後はAEに持って行ってエフェクトやら効果やらを
入れたり外したりしてデコレーションしていく。

久方ぶりに、いろんなことを考えながら作りました。
ゲームとアニメの素材は扱い方が違う、という事実自体は
少々考えれば理解はできる事だと思うんですが、
実際にやってみると新鮮な驚きがあって面白いですね。
私はコミュ映像を使ったストーリーPVを作る機会が
多かったんですが、そのノウハウが多少は生きたかな。

まぁ語り始めればそれぞれのシーンに色々と意図や狙い
あるんだけど、その辺は黙っておきます。聞きたい人がいれば
お声掛けください(笑)。なにしろこういう内容なので、
万人にお勧めはできないけれど、何かの折に見て頂ければ幸いです。

ではもう一方の動画の話を次回に。
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Author:赤ペンP
都内某所に潜伏し、ひっそりアイマスMADを製作中。表向きはうだつの上がらないサラリーマン。人生のモットーは、なだらかに昇りなだらかに落ちる放物線。

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