赤ペンPの添削日記
由無し事を徒然に書き連ねる日記。
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なんか書きたくなったので
20選のまとめ動画に絡めたエントリを書こうとしたら、
なんかこの人の話に脱線していっちゃいまして。

リンP


まとめ動画が来る前に書いても差し支えなさそうだったので、
読む人をふるい落とす級の長文である事を宣言しつつ、
リンPって、徹頭徹尾「画面の中に入れない人」なんだなー、
なんていう感想から入ってみましょう。


「画面の中に入る」という言い回しは当然ながら
「もののたとえ」というヤツですが、ニコマスにおいて
動画製作を嗜む人間なんて多かれ少なかれ、その作風や
スタンスを問わず、片足くらいは画面の中に突っ込んじゃって
いるような、そんな存在だと思うんです。
私にだって、なんだかんだでそういう部分は確実にある。

でも、リンPはその片足すらも入っていない、
純然たる三次元側の人、なのかなぁと。
以下、勝手な推測と妄想。

リンPはきっとアイマスがすっごく好きなんだと思います。
で、「画面の中に片足を突っ込む」という行為ないしは状況が
まさにその「好きだからこそ」って感情が要因になって生じている
現象なのだとしたら、じゃあなんで画面の中に入れないんだろう。

どれだけ熱心に画面の中の世界に没入しようとしても、
その視界には常にコントローラーと、それを持っている
自分の手が入っちゃう。故に没入できない。

代表作である「GAME」をはじめとして、この人の動画には
しばしば「メタ視点」が登場し、それ故に見る人の心に
深く突き刺さったりするわけなんだけど、それは動画や
映像における表現方法のひとつとして採用されているという
意味合い以上に、要は「自分に見えている光景」を
「そのまま」映像に落とし込んでいる、そんな風に見えます。

メタな視点や手法って、ともすれば上から目線で
押し付けがましいものになってしまいがちなんですが、
リンPの動画にそういう感覚が薄いのは、単純に
映像技術の巧拙ではなく、いささか乱暴な表現をすれば
「だってそういう風に見えているんだもの」という
根本的な視線の在り様が大きいのかなぁ。

何故にそういう視点を手に入れるに至ったのか、
その話は恐らくアイマスとかニコマスとか映像とか作品とか
そういう話の外側にある事だと思うので考察しませんけど、
今回の動画を見て、なんかそういう形でストンと
この人の動画が自分の中に落ちてきた感じで。


リンPを知るキッカケは、2008年6月に私がDJを務めた
インターネットラジオで、「オススメの動画」として
DikePが教えてくれたこの動画でした。



「GAME」が世に出る前の話です。
すげーすげー言いながら、スティーヴン・キングの
「Misery」を思い出してたなー。

本来ならここで「昔からこの人知ってたんだぜ」と
私がドヤ顔をする典型的なパターンなのですが、
これを教えてくれた当の本人であるDikePが
当時「GAME」を指し示して
「お前らこれでリンPの凄さがわかっただろう」
と正しくドヤ顔をしていたので遠慮しておきます(笑)。

以来、リンPの動画というのは、無印だろうが2だろうが
アニメだろうが、使っている素材の如何を問わず、常に
「そういうものだ」という漠然とした捉え方をして来ました。
この「動画の中には作者がいない」感といったら。

で、この前唐突にこんな言葉が降ってきた。
嘆きなのか怒りなのか苛立ちなのか、それはわからないけど
とにかくリンPの動画というのはそういう「叫び」なのだと。
叫びの声はその主から発せられるものにして、その主自身にあらず。
そりゃ作者自身の影も形も動画の中にないわけだわ。

そして声に出して叫ぶ理由はただ一つ。
それを聞いて欲しいから。
恐らくは「片足を突っ込んでいる人」が、いやそれどころか
「首まで浸かっている人」すら存在するこの界隈の中で、
それが出来ない人もいるのだと、そういう事を知って欲しいから。

聞いて欲しくないのなら、わざわざ動画になんてする必要はない。
声の主を特定されたくないのなら、P名なんて付けなくていい。
サブ垢でもなんでも、やり方なんていくらでも存在する。
知らしめる必要がないのなら、言葉という形にして
人の目に触れる場所で何かを発信し、残すなんて愚の骨頂。

自己を顕示するプリミティブな欲求の充足を強く望む生き物。
どれだけスタンスや作風や考え方が違ったところで、
どれだけ斜に構えたってアウトローを気取ったって、
その一点において、ニコマスPなんてみんな同じです。

もっとも、それを聞いた人、知った人がどうするのか、
その点には頓着していない。作品としての筋立てはあっても、
見る側を一定の方向に誘導しようとする作為は、あまり感じられない。
そこが潔いところでもあり、また面倒くさいところでもある(笑)。

こんな文章を書いているくらいですから、
恐らく私はリンPとは様々な考え方がまるで違うのだと思います。
もし仮に直接顔を合わせる機会があったとして、アイマスの話題を
話し始めたら、どこまでも噛み合わないんじゃないかな(笑)。
他の事はわかんないけどさ。

「でも」なのか、「だから」なのか。
最終的なアウトプットは異なるけれど、そこに至るまでの
思考回路の流れ方に、なんだか自分と共通している部分が
あるというか、そんな感じも同時にするんです。

昨年の7thライブ。ご存知の通り私は参加していませんでしたので、
その後のツイッターやブログなどで参加した人たちの様子を
文字通り離れた場所から見ているだけだったんですが、
その時思ったのが、
「あーこれ『ベルセルク』のガッツの話みたいだわー」
って事でした。鷹の団時代、キャンプを張り野営する団員を
見ながらキャスカと会話している、「夢のかがり火」の
エピソード・・・って、マンガを知らないとアレですね。

どういう話か可能な限り簡潔に書きます。
鷹の団ってのは傭兵団なので、団員は職業軍人じゃない。
それぞれが戦場とは別に日常的な生活があり、
そこにはささやかな夢があるわけです。

その「吹けば飛ぶような小さな火」をみんなが持ち寄り、
消えてしまわないよう、中央でひときわ強く燃えている
炎の中に放り込む。その「強く燃えている火」が、
大望を胸に秘めた団長のグリフィスという存在なのだ、
みたいなお話です。

とまぁそんなことを考えてたら、リンPがブログで
7thライブについてこんな文章を書いていました。
一方的な感想だけど、最後のサイリウムにまつわる
ついニヤニヤしちゃいまして(苦笑)。

それともうひとつは、20選に参加したリンPのマイリストコメント。
律ちゃんについてのリンPの意見に、私もほぼ全面的に同意します。
私は「PかアイドルかならPじゃないかな」くらいのスタンスですが。

この話は昨年「週刊黒いテスト放送」の自分のコーナーで、
まさしくそのコメントがついた動画を流しながら語った事でした。
そのためにはせめてこのくらいの段取りが必要だと思うんです、と。
さすがにあの場ではもっとマイルドな表現しか出来ませんでしたし、
その事でちょっと誤解を生んでしまったりもしたんですが。

そう思っておきながら、昨年末のVRLではセミファイナルの位置に
律ちゃんのまほかけをしれっと置いているあたりが、私の人の悪さだと
自分では勝手に考えているんですけれど、それはさて置き。

今回、何故20選の話を書こうとしてリンPの話になったのか。
2012年下半期の20選におけるある種のトレンドとして、
「こういう動画」が例年以上に目立ったなー、と感じたからです。
純粋な歓喜や礼賛の声とはちょっと異なっていて、でもその根底には
歓喜や礼賛があるからこそ放たれる、「叫び」のような動画。

そういう動画はいろんな内容や切り口のものが、いつでも一定以上は
存在していたし、その中には広く評価されているものもあります。
でもとりわけ今期は、中身の違う複数のそういう動画が
数字的な部分でも伸びていたり、20選で選ばれてたなーと。

その要因は、先日のブログでも書きましたが、
昨年は1年を通じて穏やかで幸福な日々がこの界隈に
流れていったと思ってて、それが大きかったんじゃないかなと。
矛盾した話のように見えますけど、要するに私がよく使う
「共通認識」というヤツの存在があったっていう趣旨で。

2012年はいい年だったね、というキーワードがみんなの意識に
下敷きとしてあったから、こういう動画を作ろうと思いつく人が
相応にいて、それ以上にそういう動画を受け止める人がいた。

この手の動画は耳障りのいい事ばかりではありません。
なんせ「叫び」ですからね。それは時に耳に痛く、
時に見ている人の心を抉って無性にかき乱す。
でも、受け手の側にそういうものをも受け止めるだけの
準備がある時には、広く響くのでしょう。

同じような趣旨を持った(と私が勝手に思っている)
他の作品でも似たような話が出来たわけですが、
久々に「dis芸」を楽しませて頂いた事もあって、
この作品を取り上げた次第です。

って事で、とりあえず今回の話をまとめよう。
んー。要はリンPって「不器用」なんだよ、多分。
その「不器用さ」が、私にはちょっと眩しく映る。
単純に、それだけの話なのかもしれません。

面識もないのにこれだけ好きに書いてしまって
申し訳なく思いつつ、まぁこの先はなるようにしかならないよ(笑)。
それに、リンPの動画が私に対して全く機能しないのと同様に
私の動画もまた、リンPには全く機能しないはずです。

だからこの先、20選のコメント内容を心配する必要がない!
いいのかそんな結論で!(笑)

あの時見上げていた人たちが、今も動画を作ってる。

そんな実感をする機会が、随分少なくなりました。
私もすっかり古株になってしまった証拠ですね。

だから、もう少しだけ続けてくれてたら嬉しいかな。
そう思っています。
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Author:赤ペンP
都内某所に潜伏し、ひっそりアイマスMADを製作中。表向きはうだつの上がらないサラリーマン。人生のモットーは、なだらかに昇りなだらかに落ちる放物線。

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