赤ペンPの添削日記
由無し事を徒然に書き連ねる日記。
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the only neat thing to do
6月も半ばを過ぎ、同時に今年も半分が過ぎようとしています。

ご存知の通り、週末には7thライブが控えています。
その前に書いておきたい事を。


アイマス2の正式発表から2年。そこからの
界隈の歩みを改めて俯瞰しながら振り返ると、
あの日の出来事も、またちょっと違った見え方が
出来るようになってきたなぁ、なんて思ってて。

アイマス2が出ます、と聞いた時。

我々旧来のファンは、アイマスというゲームと、
そこから派生したCDなどの展開をずっと追いかけていました。
事実上単一のソフトを、何年も大事に遊び倒してきた。
そして待ち望んでいた「ゲームの続編」が、しかも
これまでの765プロのメンバー+αで発売されると知って、
今までを起点にして始まる何かを期待した。

一方で、アイマス2を出そう、となった時。

恐らく当初から、メーカー側はこれからのアイマスを
大きなコンテンツとして展開しようと考えたのでしょう。
その起点は当然従来のメンバーではあるけれど、
アイマス2は単なるゲームの続編ではなく、
「新しいコンテンツを支える構成要素のひとつ」として
文字通りRest@rtをしようとしていたのかな。

「ゲームありき」だったファンと、
「コンテンツありき」だったメーカー。

商品内容やゲームのクオリティではなく、たかが新製品の
情報発表だけで、何故あれだけの騒ぎになったのか。
これは私の推測にしか過ぎない話ですが、
同じアイドルたちを見ていながら、こういう乖離が、
ボタンの掛け違いがある事に誰も気付かぬまま、
あの9・18を迎えてしまったからだ、と考えれば、
未曾有の混乱の原因が少し見えるような気がします。

余談だけど、「9・18」という表現を使うとき、それは単に
TGSのステージそのものではなく、その後の開発者インタビュー、
物議を醸したラジオや団結2010の内容などを含めた、
発表直後の数日間の動きを包括的に差すものだと考えています。
全てが順調に行く想定で組まれたであろうこれらのスケジュールや内容が、
最初のステージで躓いたにも関わらず、予定通り進めざるを
得なかったために、結局全てが裏目に出たという意味です。

どうにもならない事情や想定外の反応がそこにあったであろう事を
差し引いても、アイマスとは関係なく、1人の社会人として
色々と学ぶべき事の多かった出来事のように思います。

閑話休題。
ゲームありきと考えるなら、キャラ入れ替えをしてないのに
何故プロデュースできないアイドルを作るのか理解するのは難しい。
そもそも前作で10組プロデュースできたのに、今回は同じメンツに
追加キャラが加わって、でもプロデュースできるのは9人。
続編モノでこういうシチュエーション、あまり見ませんよね。
声優さんを交代してまで同じアイドルたちが出ることに拘ったはずなのに。
それだったらキャラ全入れ替えしてくれた方がまだ良かったのに。

でも、コンテンツありきとして考えたなら。
確かにゲームではプロデュースはできないけれど、
ちゃんと出番は用意されてる。S4Uでも使える。
PS3版ではエクストラモードも用意した。
何よりこれから先、ゲームではない場所においては
あのアイドルたち全員に、新しい活躍の場がちゃんとある。
その体力は新しい子にはまだない。765プロの子たちにしかない。
ただ、あくまでゲームに関しては、こうせざるを得なかった。

両者が歩み寄り妥協する余地はたくさんあったはずです。
我々ファンの側も、ファン同士で殴りあうような事をせず、
もっと冷静に考えるべきところはたくさんあったでしょう。
ゲームのみがアイマスを支えるコンテンツではないのだ、
という発想に立てたのなら、少なくとももう少し状況の推移を
見守ることは出来たのだろうと思います。

でも物事の順番として、最初の一手を打つのはメーカー側。
この先どんな展開を考えていようとも、それをきちんと伝えなければ
それをファンがイメージすることは難しい。今のアイマスの展開を、
希望的観測であってもイメージしていた人がどのくらいいただろう。
そして前述の乖離はファンは知る由もないけれど、
メーカー側は理解し得るはず。
そこにもっと敏感になってプロモーションの手段を
考え選んでいれば、余計な波風は防げたはずです。

ともあれ、互いの真意を斟酌しない事によって、
あの騒動は無軌道な「暴発」になりました。
故にそれを解消する方法論は、古式ゆかしく伝統的で、
確実に効果を発揮するものしか選択できなかった。すなわち、

「時間の経過に任せる」であり、
「事実を淡々と提示する」であり、
「取捨選択をユーザに委ねる」という、ね。

アイマス2自体の宣伝もそうだったけど、情報の発信の
間隔を保ちながら、アニマスやモゲマスといった新しい展開、
言葉による説明でなく事実を持ってその考えを示した。
それによって新たなファンが増え、一方で
中途半端に「去るものを追う」行為をしない事で、
確かにあの忌まわしい記憶は、ひと頃に比べれば
随分と「過去のもの」になった感はあります。

そして今もこうしてアイマスの世界が存続している以上、
あの日の出来事は決定的な失敗ではなかった、という
結論付けに、当然なるでしょう。あの決断によって、
失ったものよりも得たものの方が多かった、と。


この話を書く時はどうしてもメーカー側の姿勢について
疑問を呈さざるを得ないし、実際当時の私も何より
そこについて腹を立てていたわけなんですが、
なんかね、ここまで来ると不平不満を通り越して
ある種の同情めいた感情すら覚えるんです。

ハッキリ言ってしまえば、アイマスは最初から
ここまでの展開を期待され、約束されたコンテンツでは
決してなかったと思います。単なるゲームとして
考えても、あのアイドルごとのエンディングを見れば
同じメンバーでの続編を想定しているとは思えないですし。

でも多くの人が愛情を注ぎ、努力し、地道に支え続けた。
その結果、続編をはじめとする次の展開が開けた。
そして開けた瞬間、今までとは比べ物にならないくらい
全てが大きく早く、転がり始めた。

既にファンの中には、その早さに戸惑いを覚えている人も
少なくないようです。でももしかしたら、作り手の側自身も、
この早さに戸惑ってるんじゃないかな、と思うようになりました。

先ほども書きましたが、あれだけ内外問わず色々と揶揄され
オワコン呼ばわりされても、こうしてアイマスは立派に存続してる。
何も考えてない、無能なスタッフの所業であるわけが無い。
でも、これだけの展開の全体を支えて、整理して、取り仕切り、
個別の要素をキチンと煮詰めて仕上げ、コンテンツとして
均質のクオリティを保ちつつ、対外的にも発信をして、
さらに次の一手、その次の一手を考えて。
成さねばならない事は山のように目の前にあるはずです。

アイマス2以降の様々な展開と、折に触れ明るみに出る
脇の甘さのようなものを見ていると、
そういったマネジメントの思想が存在しないとか
足りてないとかではなく、単純に手が回ってないような、
今はそんな印象を受けるんです。
大きくなりすぎた自分の体の動きに付いて行けず
自分自身が振り回されてる、と表現したらいいでしょうか。

たった1本のソフトを軸にずっとずっと回ってきた界隈が、
まるでその反動のように、この2年でこれまでに倍する速度で
一気に広がった。何かに取り憑かれたように
消費のスピードを加速させている、そんな感じ。

所詮は私もいちファンでしかありませんから、
そのあたりの意図や方針の仔細、そうなるに至った
詳しい事情は存じ上げませんし、そこに対して
とやかく口を挟むべきでもないでしょう。

あるいは我々以上に言いたい事を
たくさん抱えているのは、彼らかもしれない。
我々ファンに対してではなく、別の何かに。

発表直後、ファンの怒りの火に油を注いだとされる
あのファミ通のインタビュー記事。
当時は私もあれを読んで、怒りを通り越して
天を仰ぎ嘆息するしかない、といった心境でした。

でも今になって、その後のアイマスの展開を知った上で
改めて目を通すと、まさしくその「乖離」の大きさに
唖然とさせられます。もちろんこの時期は発表できる事に
大きな制約があるのは事実ですが、それにしても
このインタビュー内容では、今現在のアイマスの展開の
具体的なイメージどころか、ヴィジョンの一端を
垣間見ることすら難しい。

アイマス2という「ゲーム」についてのインタビューだから
それは仕方ないという面もあるかもしれません。
だとすれば余計に、このインタビューは痛々しく映ります。
コンテンツの一部として単体では完結しない商品なのに
この先の展開について触れられず、恐らく一番の懸念として
メーカー側も認識していたであろう竜宮小町の件についても
この時点では苦しい言い訳程度の発言しか出来なかった。

新たな目玉となるはずだったジュピターのキャスト陣への
ロングインタビューも、前述の通りこの状況では、
その内容の如何を問わず存在そのものや扱いの大きさが
かえって裏目に出てしまった。ご存知の方も多いでしょうが、
この3人はその後も多くの作品でメイン級の活躍をされています。
慧眼といっても差し支えないキャスティングだっただけに
非常に勿体ない事をしてしまったなぁと感じたりするんですが。

私がゲーム業界に身を置いていた頃は、媒体に掲載される
あらゆる情報や文章は、事前にメーカーの人間がチェックして
徹底的に統制するのが通例でした。こちらがお金を支払って
掲載する広告や販促はもちろん、媒体側が希望して掲載する、
お金がかからないパブリシティの記事についても。

今もその通例があるのかどうかはわかりませんが、
もしそうだとしたら、当然このインタビューも
収録後に起こした原稿を、宣伝担当者が厳重にチェックした上で
掲載のGOサインを出しているはずです。つまり当事者だけでなく
プロジェクト全体としてこの内容で行こうという決断をした、
その結果であり成果物が、この記事という事になります。

言いたい事を全て言った上でそっぽを向かれたら諦めもつくよ。
でもそうじゃなかったら、どうだろうか。
言えなかった理由に納得が出来てなかったら、どうだろうか。

今は、率直に言って複雑な心境です。
私もいちファンですから、どんな事情があるにせよ、
目の前に提示されたものへの評価は変えるつもりはありません。
でも一方で、その事情ってヤツもある程度は実感として
わかる部分も多い。そして真実を知る機会は恐らくない。
だから一定以上の結論は留保したまま、現在に至ります。


さて、7thライブが迫っています。
これまでの通例から言って、ここでは恐らく
今後の展開に関する何らかの発表があるだろうと
皆が思っていて、期待や不安が様々に入り混じっています。
様々な事実の積み重ねがあった結果、気がつけばこの界隈は
「一喜一憂」の"憂"が占める割合が尋常じゃなく大きい、
一風変わったコミュニティになってしまいました。

以前からお話ししてる通り、赤ペンは動画を作る事で
アイマスとの接点を保っている人であり、それが無くなれば
緩やかにこの界隈から離れていくであろう人です。
公式の展開がどんなものであれ、それを判断する基準は
「自分が動画を作る上でどう影響があるのか」
という、ただ一点しかありません。

そういう立場からすれば、あんまりデカい発表は
しないで欲しいなぁ、ってのが本音でね。
映画化しまーすとかL4U2出しまーすとか、その程度で
穏便に済ませてくれた方が、界隈にも波風は立たないから
落ち着いて動画を作れるってもんですし。

でも。
このタイミングで、キャスト全員を揃えて、
横浜アリーナを2日間押さえるのみならず
全国50ヵ所の映画館でパブリックビューイングまで
するようなイベントで、穏便な発表程度しか
できないようじゃ、ねぇ?

だから今回は。今回こそは。

現状にしっかりと楔を打ち込めるような、
ここを起点に先を見据えている事が伝わるような、
そういう「意志」の感じられる内容を、
それがわかる「姿勢」で発表して欲しい。

それは、9・18の時に出来なかった事。

似たような事はこれまでに何度となくありました。
確かにその度にいろんな騒ぎもあったし、
この界隈を去っていく人もいた。作り手にも、受け手にも。
でも、残った人たちが踏ん張って支える事で、ここまで来た。

けれど今は、そういう経験をしてこなかった
新しいファンの人たちの割合が格段に増えている。
その上でどんなことが起こるのかはわかりませんけれど、
これだけは言えると思うんです。

モラトリアムの期間は、もうとっくに過ぎてるよ。

作り手の側が「真剣」である事は理解しています。
アイマスは既に、片手間で回せるような規模の
コンテンツではありませんし、片手間でコンテンツを
ここまで持ってくる事もできるわけがない。

だからこそ、ちゃんと伝えないといけない。
「ファンなら伝わるだろう、斟酌してくれるだろう」
という発想は、もう通用しない。
通用すると思った結果が、9・18とその後数日の
情報展開のあれこれだったわけでしょう?

だから、今はただ、それだけを望んでいます。
もしその内容が私にとって好ましくないものであっても、
ちゃんと伝えてくれたのなら、それでよしとするべきでしょう。

その意味では、楽観も悲観もしていません。
さっきも書いたように、今回何が起きるのであれ、
それを受け止めて判断するのは、自分です。
他人がどうするのかは、他人に任せておけばいい。
受け入れるか拒否するかは、ちゃんと考えて決めればいい。
その基準はちゃんと自分の中に用意してあるわけですし。


だいぶ長くなったけど、時折ちょっとづつ吐き出していた
アイマスにまつわるいろんな事をまとめて綴ってみました。

今回明らかになる事がどんな内容であれ、少なくとも
今年いっぱいは赤ペンは動画を作り、彼女たちとの縁を
結んでおきたいと考えています。出来れば来年も引き続き、
緩やかな速度であっても、そうあれたらいいなと思ってます。

そのために、後出しジャンケン的な部分も、身勝手な意見や
考えが多々あっても、こうして形にして残すことで
自分の中でひとつ、きちんと区切りをつけておきたいなと。
そう考えて、改めて書き記した次第です。

願わくは、1人でも多くの人が楽しみ、納得して
帰路に着けるイベントであって欲しい。そう思っています。
本当に、そう思っています。
この記事に対するコメント
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このコメントは管理人のみ閲覧できます
【2012/06/19 22:00】 | # [ 編集]

Re: タイトルなし
>非公開コメント様
何しろ非公開なのであまり詳しくお返事できなくて恐縮ですが、
節目の時に一度ゆっくり、自分にとっての振り返りは必要なのかなと
思って書いてみた次第です。コメントありがとうございました!
【2012/06/20 22:33】 URL | 赤ペンP #- [ 編集]

Re: Re: タイトルなし
> >非公開コメント様
> 何しろ非公開なのであまり詳しくお返事できなくて恐縮ですが、
> 節目の時に一度ゆっくり、自分にとっての振り返りは必要なのかなと
> 思って書いてみた次第です。コメントありがとうございました!
【2012/06/25 00:08】 URL | 赤ペン #- [ 編集]


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赤ペンP

Author:赤ペンP
都内某所に潜伏し、ひっそりアイマスMADを製作中。表向きはうだつの上がらないサラリーマン。人生のモットーは、なだらかに昇りなだらかに落ちる放物線。

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