赤ペンPの添削日記
由無し事を徒然に書き連ねる日記。
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2011年上半期ニコマス「2」選
半期に一度のイベントがやってまいりました!
ポータルはこちらでございます。

さて。
赤ペンは元々動画をあまり見ない人ですから、
こういう時に選べる動画は大抵が数字的に目立つ作品ばかりで、
気の利いた動画がご紹介出来るわけではありません。
また、単純にいい動画や好きな動画を選ぶのなら
到底20枠では足りなくなる。

なのでこの企画に参加する時は、相応の趣旨をもって
選ぶようにしています。お祭りの意図からは
ちょっと外れちゃってるとは思うんですが、
その方がやっていて面白いという事もありますので。

で、今期はどうだったのか。
過去最高に尖った選び方をしました。



・・・選出枠数のゼロがひとつ足りない?????

まさに「何故こうなったし」なこの状況について
長ったらしくて小難しい文章を格納しておきます。
もちろん全編に渡って赤ペンの私見ダダ漏れ状態ですので、
そこはあらかじめご承知置きください。


私がゲーム映像を使ってPVを作る人ですので、
手描きやMMDなどについてはいったん置いておくとして。

今期は、過去最大の「変化」がありました。
言うまでも無く、アイマス2の発売です。

昨年下半期も、9・18の発表によってこの界隈は
大きく揺れ動いたわけですが、少なくとも
物理的な製作環境に変化はありませんでした。
しかし今回は、もうぶっちゃけてドライに書けば
「完全に新しい素材の大量流入」があったわけです。

作り手の選択として、新しい素材と格闘するのか、
これまでの素材を使い続けるのか、併用するのか、
作り手の側にも様々な選択肢がありましたし、
結果として生まれた作品を視聴者の側がどう捉えるのか、
そのスタンスも様々だったでしょう。

そして上半期が終わった時点では、アイマス2発売から
わずか4ヶ月が経過したに過ぎない状態です。
七夕革命以降からカウントしても2年以上の時間をかけて
成熟していった「無印(L4U)素材時代」に比べれば、
スタート地点の水準が上がっているとはいえ、あまりに短い。
しかもDLCによる拡張もまだまだ続くでしょうし、
当然ニコマスの方向性だってどうなるのかわからない。

2011年上半期は、そういう端境期。

赤ペンは今回の20選において、実は候補作として
ちょうど20作をマイリストに放り込んでいました。
いつもの自薦枠を除けば、全てが優劣つけがたい
様々な方向性を持ったお気に入りの作品です。
去年以前なら、あるいは今年の下半期以降なら、
それをそのまま公開したと思います。

でも、やっぱり今期はひとつ特別な節目だと思うんですね。
だから、自分が思う「そういう時期の作品」を選びたいな、と
そんな風に考えました。環境が安定し成熟した状況の中で生まれる
快作というよりは、不安定で手探り状態の中にあって
ちょっと他とは「異質」な光を放っているような、そういう作品。

今年上半期に、私が「異質」を感じた作品。
それが、今回選出した2作です。


何度も言うけど「優劣」じゃありません。
最初に選定した20作の中には、この2作の上を行く
凄みや楽しさや面白さを感じる作品もありました。
でも、この2作はちょっと違った。

そしてその「違い」を上手く説明できる自信は
正直なところ、まるでありません。
そりゃそうだ、恐らく今回の20選で5本の指に入るであろう
みんなが認める素晴らしい作品ですからね、両方とも。
単なる私の勘繰り過ぎや思い込みなのかもしれないし、
どこまで言っても個人の感覚、それも直感に近い話だし。

でも、まぁ書かないわけにも行かないか。
説明のためのキーワードを無理矢理選ぶなら、
「分解」と「再構築」って事になるのかな。

言葉にするとクソ難しく響きますが、実のところ
それをやるだけなら簡単です。
例えばAという曲のダンスを前後半に「分解」して、
その間にBという曲のダンスを入れて「再構築」する。
無印でBB素材を使って、アイドルとステージを「分解」し、
その素材をカラーキーとかで抜いて自作のステージなり
背景と組み合わせる事で「再構築」する。

要するに、我々が日常的にやってる事ですわ。

で、その結果として作品が出来上がる。
分解と再構築のロジックやメソッドの違いによって、
それは本来のアイマス2のステージなりお話の延長線上に
存在する作品になったり、アイマス2に存在しない物が
混入する事で、本来のステージやお話とは全く違う世界が
構築されたりする。

そして自分がそれをできるかどうか、
その真相や真意にどこまで迫れるかは別問題として、
とりあえず動画を見れば、どんなに凄い作品であっても
そのロジックやメソッドの方向性くらいは、
とりあえず理解は(あるいは、わかったフリは)できます。

ところが、この2作はそうじゃなかった。
ご覧になれば解るように、どちらの作品も
色調やエフェクトなど、細やかな配慮や技術が
随所に見え隠れしますが、骨格の部分においては
決して難しい事をやっているわけではなくて。

MAD-PVである以上、間違いなくどちらも「分解」を行い、
「再構築」をしているはずです。でもその結果として
目の前にある作品は、アイマス2のステージでありながら、
明らかに本来のステージとは違う世界を持っていた。

わかんないんですよ。
アイマス2のステージをどう「分解」し、
どう「再構築」した結果、こうなったのか。


同じクオリティのものを作れと言われたら。
同じ発想を最初からしてみろと言われたら。

それはこの2作に限らず20選候補の動画全部が
「無理ですゴメンナサイ」という事になるんだけど、
完成品を見せられた後であれば、そこに至る道筋や方法論を
自分なりに咀嚼して、それを目指して努力する事はできる。
実際にやりたいと思うかどうか、結果としてどこまで迫れるかは
全くの別問題だけど、少なくともその「可能性」は、
限りなくゼロに近くても、存在はする。

でも、この2作は無理。わかんないんだもん。
つまりその「可能性」は、今のところ、ゼロ。
自分の中にない何か。故に、異質のもの。

既に多くの作り手の方が言及していますが、
ある生放送でわかりやすく語ってくれた
某Pの言葉をお借りすると、

「アイマス2のステージ映像は、それ単体で楽しむ分には
 申し分ないけれど、いざこれを使って自分で動画を
 作ろうとすると、非常に難しい」


んですよ、いろんな面において。
それはこの数ヶ月で痛いほど実感しています。
そういう映像を使っておいて、これだ。

「Snow halation」は4月2日投稿。
「MUSIC」は5月14日投稿。

ゲーム発売から間もないこの時期に、です。



説明になっているかどうか自信はありませんが、
これが、今回の20選で最終的にこの2作を選んだ理由。
優れた作品である事も、私の好みにあっている事も、
もちろんその理由に含まれます。
でもそれ以上に何か異質な、ある意味鬼子を選んでみた、
的な部分が大きいかな。

そりゃそうだ、こんな作品を今後のニコマスの
デファクトスタンダードにされたら商売上がったりだよ!(笑)

だから、何度も見ました。両方とも。
他の作品も何度も見たけれど、とりわけこの2作は
ホントよく見た。わかんないからこそ、何度も何度も見た。

で、パクれるところは自分なりにパクった(笑)。
わからないものをわかる為には、とりあえず真似してみるのが
ひとつの方法論でもあるでしょう?

この2作も含めた、上半期のステージメインのPVを見て
「2007年の頃に戻ったようだ」という感想を持った人、
きっと多いんじゃないかと思います。
確かに、BBが無いとか歌詞が消せないとか、素材に関する
シチュエーションが一度リセットされたわけだから、
映像製作という観点からは自然な流れなのでしょう。

でも、やっぱりあの頃とは同じじゃないんですよね。

作者であるうしわかPとorgonePの力量について、
今更私が何かを語る必要はないでしょう。
でも、多分この2作は、2人の才覚がどれだけ図抜けていたとしても、
それだけでは生まれなかったんじゃないか。そんな風に思うんです。

その思いに至った時点で、今期の20選という枠の中に
この2作と他の作品を入れるわけには行かんかなー、って。
そう感じた自分の気持ちを形に残すため、
他に候補に残っていた動画とその作者の方に心の中で
お詫びしつつ、こういうリストにしました。

さて、これだけじゃ何やら気持ち悪い感覚の人みたいなので、
もっとわかりやすい理由を追記して終わりましょう。
最初からそれを書けって話なんですけど。

あのですね。
この2作を見終わって真っ先に感じたのがですね。

ああ。俺も動画作りてぇ。作らなきゃ。作ろう。

だったの。
作品を褒める前に、いいところを考える前に、
何が好きなのか、何が面白いのかを確認する前に、
そういう諸々の理由や理屈を飛び越えて、
まずそう感じたの。

そういうことです。自分がいったい何者なのか、
この動画を見たらいつでも思い出せるよ。否応無く。

いい出逢いをさせてもらいました。
下半期にも、同じ出逢いがあればいいですね。
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Author:赤ペンP
都内某所に潜伏し、ひっそりアイマスMADを製作中。表向きはうだつの上がらないサラリーマン。人生のモットーは、なだらかに昇りなだらかに落ちる放物線。

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